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登美子の部屋4回目のゲスト:アムネスティー・インターナショナル日本 野田幸恵さん

■5月のゲストは・・・

 

ゲスト:野田幸江さん

   /社団法人アムネスティ・インターナショナル日本<広報>

    http://www.amnesty.or.jp/

 

  

  「慰安婦」問題など、

人権をテーマに活動するアムネスティでの

野田さんご自身の広報活動などを切り口に

野田さんの人生について、伺います。

 

日時:5/1(土)16:00〜19:00(予定)
場所:【キのうえ】にて(オフィス2階部分)
参加費:1000円/キミドリ・ドリンクチケット1枚付き
お客さん:1開催/13人くらい

 

■■参加方法:事前申込みのみ。
登美子までメールください。
お返事します。 

 

 

 

・・・終了後の登美子からのお手紙です。

 

 

拝啓 野田幸江さま   

社団法人アムネスティ・インターナショナル日本・広報)


先日は、お忙しい中、「登美子の部屋」にお越しいただき、
本当にありがとうございました!

お手紙、すっかりお待たせしてしまって、
本当に申し訳ありませんでした。
お手紙を書けず、私もずっと気がかりなまま、日々過ごしてきました。

文章を書く事って、
気持ちが自分のセンターにないと困難で、
今の私には、コンディションを整えるのに、とても時間が必要だったのです。

・・

さて!
今回、私も、野田さんと、ちゃんとお話するのが、初めてでした!
とても深刻な問題に、日々向かい合うお仕事をしている野田さんと、
ぼーーーっとしている私とで、
ちゃんとお話になるかしら・・?と、正直少し不安でした。

でも、
爽やかな春の日にぴったりの雰囲気に溢れた野田さんと、
面白い程に必死で素直に<人権>について立ち向かって考える私たちとで、
豊かな時間を過ごせたことを、とてもうれしく思っています。

本当にありがとうございました。

・・時間がたった今、
私の心に残っていることを、お伝えしたいと思います。

もくじ
1.自分の問題なのだ
2.小さな灯になる
3.人はみな自由
4.子どもの視点でみる<人権>
5.鈍感さからの脱出
6.一人一人に出来ること
7.詩のプレゼント

___________________

1.自分の問題なのだ

今回、まず始めに野田さんに伺いたかったこと。

日々、<人権>という問題、また、その渦中にある方とのやりとりを、
野田さんが、どんな気持ちで取り組まれているのか?
・・というのも、私だけじゃなくて、多くの人にとって、
とても気の重い、悲しい問題だからだ。
私が野田さんの立場だったら・・と想像しただけで、
気持ちが参ってしまいそうになる。

イベントの時にも、
アムネスティのブースで、
たくさんのボランティアさんが参加して、
署名など呼びかけをしているのを見るけれど、
どんな方たちが、参加しているのかが、
これまでも、とても気になっていたのだ。

しかし、答えは、思ったより、スッキリしていた。

自分の人生で<人権>について考えるきっかけをもっている人。

比較的、そういった方の関わりが多いそうなのだ。
野田さんご自身も、国際結婚。
自然に、日本で暮らす外国人の気持ちに立ち<人権>について
実感されることもあるだろう。

学生の頃には、日本で暮らす外国の方たち講師に招いて、
お国の紹介をしてもらうようなイベントをされていたそうだ。

・・

代々木公園で開催している
イベント「アースガーデン」や、「アースデイ」などでも分かるとおり、
世の中には、たくさんの人々や組織が、
それぞれの目的のために活動している。

動物愛護ひとつとったって、
ジュゴン・チンパンジー・野生動物・捨て犬や捨て猫・・
まだまだ色々ある。
色々ある中で、何故それに関わるようになったのだろうか?

それは、
自分の問題として、取り組める何か
自分の問題として、取り組みたい何か
だからではないだろうか?

何かのご縁で出会った問題が
その人自身の問題となった時、
ただの観衆ではいられなくなるということだ。

・・

野田さんの爽やかな笑顔や喜び、そして<人権>。
それらは野田さんの心の中で、それぞれに光って存在している。

人の苦悩を理解しつつも、
ご自分の人生の喜びも、共にある。

その気持ちのあり様は・・私たちの勇気となる。



2.小さな灯になる

アムネスティのロゴマークは、
灯のともったロウソクに有刺鉄線が、まかれた構図。

・・・
<人権>というと、壮大すぎて、
いっそ偉い誰かがなんとかしてくれそうな気にもなるのだが、
ひとつひとつの事態は、
そのひとつひとつが、誰かの人生のことなのだ。

「○○国の○○という名前の人が、
○○○というひどい目に遭っている。」

「世界の○○○の女性たちが、
○○○時代に、○○○いう目にあって、
今も尚傷ついたまま、人生をおくっている。」

野田さんに伺った
ロゴマークの意味。
〜暗闇を呪うより一本のロウソクに灯をともそう〜

野田さんが言った。
「私もこの仕事をしていて辛いことはたくさんあります。
怒り狂うようなこともある。
でも、例えば、冤罪で獄中にいる人に、一通の手紙を送る。
そのことで、その人は、とても心が癒やされる。
そういう一本のロウソクになりたいんです。
そういう自分たちの力を信じているんです。」

・・・
野田さんが嘆いていたこと。
日本の新聞には、海外のニュースが少なすぎるという事実。

知らなくていいんだなんて、思えないから、
近寄れなかった、私にとっての<人権>問題。

私にも起こりうる、<人権>侵害。

・・

私が参加者のボランティア○ちゃんに言った。
「ねぇ、○ちゃん、私が悪くないのに、もし牢獄に入れられたら、
○ちゃん、私に手紙をちょうだいね。
そしたら、本当に心から救われると思う。」

笑いながら言ったのに、ほんの少し想像したら、目が潤んできた。

現実的に、そういう気持ちで生きている人がいることを、
少なくとも私たちは、分かっておくことで、もっと強くなれるはずだ。



3.人はみな自由

みなさま、ご覧ください。
(アムネスティさん、デザインワークも素敵ですよね。)

http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3144&frmtp=1

過酷な状況で生きている人たちがいる。
悲しみに包まれたまま生きている子どもたちがいる。

そして、
私が、たまたま今のこの戦争のない日本に生まれたという事実。

・・私がこうして生きていることは、
ただのラッキーだという風に受け止めていいような事なのか?
それがどうしても心にひっかかる。

私は幸運で、戦争の真っ直中に産まれた人は不運。
そうなのだろうか?

答えは今は出ない。もっと大きな何かの作為にも思える。

ただ、不運かもしれない、その人々が、
産まれてきた以上は、安心で安全であることを
心から願うことは、当たり前だと思う。
それが<人権>なのかな、と私は思う。

___

参加者の○くんが、眉間にシワを寄せながら、言ってくれた。

今ある困難な状況を客観的に伝えることで、
「当たり前」だと思って飲み込んできたことが、
知ることで「不幸な事」になるのは、
かえって気の毒なのでは?と。

でも、自分の置かれている状況の意味を、
客観的に誰かに教えてもらえない限り、
延々と同じことが繰り返し繰り返し行われる。
諦めと悲しみがただ有り続けることになる。

・知らせること。それを受け取る勇気。
・知らせた上で、具体的に救済する智恵をもっていること。

だからこそ、必要な世界中とのネットワーク。

・・
アムネスティでは、問題が発生しているその自国のスタッフは、
その問題には、基本的には、関わらないそうだ。
日本の問題は、他国のスタッフにより、客観性をもち問題に向かわれていく。
また、日本で危ない目にあうことは、ほとんどないそうだが、
当事者国のスタッフの身の安全を考えて、決めらたそうだ。

世界で支え合う、世界中の問題への取り組み。
ネットワークは、そのためにある。

人が自由であるために。


4.子どもの視点でみる<人権>


アフリカの女性器切除の話が出た。

参加者の○さんの、素直で真っ直ぐな意見。
「もし自分が、女性器切除をしなければ、
一人前の女性として扱ってもらえない文化に育ち、
そこで生きていくなら、
本当はイヤでも、みんなやっていることだし、
我慢して受け入れると思う。

だから、
それを<人権>問題ととらえるかどうかは、
個々人の主体性の問題であって、他人が口出しすることではないのでは?」

・・そう、勇気をもって、言ってくれた。

確かに、私も同じ立場に置かれたら、そう思うかもしれない。

・・・・

でも、、と、私は考えてみた。

小さな子どもみたいに、なんの捕らわれもなく、
恐れもなく、選んでいいのなら、私はどう思うのか?

それは、「NO!」。
いやだ、そんなのいやだ。

実際問題、女性器切除をすることで、
出産時に問題が発生したり、
衛生的でないナイフを
(錆びたものを使うこともあるような、状況らしい)
つかって行うから、
病気、時には、死んでしまうこともあるそうだ。

自分もいやだし、
次々に、産まれてくる子どもたちが
同じ目にあわされるなんて、私はいやだ。
性の喜びは、動物にとって、とても大切なものだ。

だから、女性たちに伝えたい。
「世界中のほとんどの女性は、
そんな目にあっていないんだよ。
この地域だけで行われていることで、
だから我慢しなくても、生きていけるんだ。
みんなで力を合わせて、乗り越えよう。」

男性にも、特に権限をもっている男性に伝えたい。
「世界の人があなたたちの決断を見守っている。
女性器切除なんかしても、人の心はしばれるものではない。
そして、世の中には、信頼で結ばれたカップルがたくさんあるのだ。」

・・こんな風に、
小さな子どもの気持ちで選択するその安心や安全が、
<人権>をみるときの、一つの視点になるのではないかと、
私は思った。



5.鈍感さからの脱出


少し話がそれますが、、

先日私は、「排経美人のすすめ」という著書をだしている
才田春光さんのお話の会に参加した。
とても素敵な方でした。
その中での印象的なお話をひとつ。。

以前、才田さんが、
一人の(才田さんと)同世代のおばあちゃんである女性から聞いたという、
孫とのエピソード。

3才でおむつ離れが、まだ出来ないでいる孫の
紙おむつが汚れているようだったので、
「おむつ変えようか?」と言って、
履き替えさせてやったところ、
「こっちの方がいい。こっちを履きたい。」と、
汚れた紙おむつを指さして言うそうだ。

そのおばあちゃんは、なんで孫がそんな事を言うのか?と
不思議でならなかったそうだ。

才田さんは、こう理解されたそうだ。

普段、紙おむつを汚れたタイミングで
きちんと変えてあげないと、
子どもは、汚れた不快な状態で過ごすことになる。
それが苦痛だから、
その辛さを実感しないために、
気持ちを鈍感にするだろうと。
苦痛のレベルを下げるだろうと。

・・だから、きれいで快適な状態から、苦痛な状態に、
気持ちが変化するのを受け止めること自体が辛いし、
自分を客観的に理解するのもつらい。
だから、
汚れたもののままでいたいし、
身(気持ちも)を守るために、それに慣れ
鈍感になってしまうといういうことなんだと、
私はそのお話を聞いた。

・・・

現実的には、ある程度、
人がこの世の中で生きていく上で、
その鈍感さがないと生きていきづらいのだろうと思う。

ずっとクリアな人は、もしくは、そうすると決めた人は、
クリアな状態で生きていくためには、
キープするための工夫と、覚悟が必要だと思う。

苦悩の中にいると、
喜びを実感するということは、
その喜びの瞬間がどんなにすばらしくても、
次にやってくる苦悩が理解出来ている人間からすれば、
その喜びは、
あらためて自分の苦悩を客観的に見つめることになる辛い喜びだ。

だから、
苦悩の中にいる人に、よい事だからと、善意で<人権>をうったえても、
素直に、客観的に、
自分の今ある状況を理解したくない・出来ない人も大勢いるだろうな、と
想像できる。

ただ、自分らしく生きるためには、
自分の置かれている状況を客観的に、受け止めることからしか
始まらないのだと思う。

辛くても、辛くても、理解することをせずには、
越えられないのだ。

鈍感さから、
勇気をもって、抜け出すのだ!



6.一人一人に出来ること


アムネスティのロゴマークを見ながら、
みんなで考えた。

一本のろうそくになって暗闇を照らすために、
私たちに、何が出来るだろうか?

アムネスティのHPでは、
とても分かりやすく
一本のロウソクになれるに方法(署名や、活動への参加の案内など)が
分かりやすく情報掲載されているので、
是非見ていただきたい。


そして・・・「登美子の部屋」なりの結論。

<自分を大切に生きること>
<自分を活かして生きること>

みんなが一人一人、
自分の気持ちを大切に生きていくことが、
自分を光り輝かせることへの一番の近道だと。

その光が、自分以外の人の心も照らすことへと繋がるのだと。

・・・

何も遠くの国のことでなくてもいい。

となりにいる人、
大好きな人だけでもいい、
助け合い、手をつなぐこと。

あなたが隣人と手つなぐ。
隣人がさらに隣人と手をつなぐ。
そうして、手と手をどんどんつないでいくと、
世界中がつながる。

ジュゴンだって、チンパンジーだって、
一本の樹を植えても、牢獄に捕らわれた人に手紙を出すことも、
となりの一人暮らしのおばあちゃんを助けることでも、
なんでもいい。

みんながそれぞれに、自分の問題として立ち向かい合うべき問題に、
きちんと対面することで、
わたしたちは、ジュゴンを救いながら、チンパンジーを救うことになる。
一本の樹を一人静かに植えることは、
牢獄の人に手紙をだすことへと繋がる。

手と手がつながっている限りは、
私たちは、一人ではないのだ。


・・・

アムネスティの活動は、
そうした私たちの些細かもしれない活動を、
きちんと一つの形として分かりやすく示し、
私たちを導いてくれる。
それも、一つの団体としての、大きな活動の一つだと思う。

・・・

今回は、今までの中で
内容としてDEEPだったせいもあって、
本来の「野田さんを知る」・・というようなお話を深く掘り下げて
伺えなかった気がするのが、少し心残りでもある。

ただ、私に言えること。

野田さんは、
ちゃんと自分を大切に活かして生きている人だ。

それが、私の確信としてある。

野田さんは、一本の光の灯ったロウソクなのだ。
闇の中に灯る、一本のロウソクなんだ。




7.詩のプレゼント

では、野田さんに小さな詩のプレゼント♪
野田さんを想って書きました。
_____

 

 

「ピーヒュルル」

トンビが一羽 飛んできた
カラスが一羽 そこに来た

追いかけつっつく諍いを
遠く眺めつ 枝から枝へ
舞飛び歌う
ピーヒュル 小とり

天から光 飴色の粒が
トンビとカラスに降り注ぐ

その悲しくも美しき光景を
遠く眺めつ 枝から枝へ
舞飛び歌う
ピーヒュル 小とり

わたしとは ピーヒュル
生きるとは ピーヒュルル

 

_____

ではでは、
大変長くなりましたが、
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。

これからもご活躍を祈っています。
自分のお体も大切にしてください。

・・あ!ご主人にも、よろしくお伝えくださいね〜♪


■アムネスティ 登美子の部屋お奨め商品

http://www.amnesty.or.jp/

web内「あなたにできること」をご覧くださいませ。
下記について説明があります。

・サポーターになる
・寄付をする
・お買い物で支援
・イベントに参加
・ボランティア/スタッフ
・メルマガを購読
・1Clickアクション
・緊急行動(UA)
・知ってもらう


■野田さんに会いたい人は・・・

アースガーデン“夏”
http://www.earth-garden.jp/eg/

日 程:2010.7.3(土)・4(日)
場 所:代々木公園イベント広場
入場料:無料
*雨天開催

エコロジーガーデンにてご出展いただきます。
トークステージへの参加も検討中!



□後記

これを読んでくださる方がいるかしら?
今回もまた長かったから。
書き上げたお手紙を読むと、随分私は高尚そうだ。
だけど、違う。
自分の弱さや、汚れは、自分が一番よく知っている。
だからこそだ。
だからこそ、人と人は、手をつなぐ必要があるんだと思う。
むむぅ〜